あなたと私と嘘と愛

「おつかれー亜香里」


その中でも同じアルバイト仲間の真由とはすぐに仲良くなった。
年齢も一緒で専門も一緒。
元々顔見知り程度の関係だったけれど、同じようにアルバイトをするうちに自然と仲良くなった。
今じゃ一番の親友になりつつあるわけで、土日もほぼ顔を合わせる間柄だ。


「ねぇ、これからうちに来るでしょ?」


背中までの綺麗な髪。
今さっきまで1つにまとめてあったシュシュをほどきながら当たり前のように聞いてくる。


「もちろん。今日からの桃パフェフェアーをどれだけ楽しみにしてたと思ってんのよ?」


私はニヤリ口元をあげる。
真由の実家は喫茶店だ。
そこで毎年恒例に出される桃をふんだんに使ったパフェが最高のお気に入り。

食べ物の中で桃が一番好きな私にとって最高の季節がやってきたと言ってもいいわけで、今の私の細やかな楽しみなんだよね。

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