あなたと私と嘘と愛

ここなら１人でも大丈夫だ。
優斗は優斗のやらなきゃいけないこともあるだろうし。
そう思い、優斗を遠慮がちに見たのだけど、

「ほら、それ。そういうとこ」

「え？」

何故か優斗は呆れたような顔付きになる。

「俺言ったよね？家族には遠慮するなって。君さ、今の自分の立場分かってる。もっと置かれてる状況を理解した方がいいと思うけど」

落胆したように怒られた。

「それってあなたにも甘えろってこと？」

「一応家族だからね」

「けどあなたにそこまでしてもらう筋合いは…」

「今更でしょ。もう色々と巻き込まれてるんだから、変な遠慮は逆に怒るよ」

怒るよって…
これは優斗なりの配慮なの？


「…じゃあ、そこまで言うのなら…」

深く考えてた自分がバカらしくなるぐらい、何だか急速に力が抜けてしまう。

「立場はどうあれ、縁あっていま一緒にいるんだから使えるもんは使ってみたら？」

「使ってみたらって…」

「何か変なこと言ってる？」

「…いや、まぁ…」