あなたと私と嘘と愛
やっぱり変な奴だ。
そしてむず痒い気持ち。部屋に入り優斗に気付かれないよう笑ってしまった。
だけど、どこか憎めないのは彼は彼なりに私を心配してくれてるのが分かるから。
不思議と気持ちも温かくなる。
「とりあえずよろしく、です。…でも、お互い生活リズムは今のままでいいですよね?」
「もちろん。負担にならないようにやっていけばいい。別に場所が変わっただけで今までと何も変わらないんだから。けど必要な時は遠慮なく言って?」
「分かりました」
「お、やっと素直になった」
頭をくしゃっと撫でられた。
しかも嬉しそうな笑みで…
ドキッとした。
こんなに無邪気に笑うんだと見せられたら私だって意識する。
美形の笑顔は驚くほど魅力的だ。破壊力がある。
「ちょっ…」
頭がボサボサになった。
「調子に乗りすぎです。あんまり父親ずらしないでくれます?」
そう憎まれ口を言うものの、どこか嬉しい。
彼の笑顔は嫌いじゃない。
どこかむず痒く、恥ずかしくなった。