あなたと私と嘘と愛

人間追い込まれるとここまで落ちるんだと驚いた。
そしてショックだった。

だけど私を庇ってくれた優斗は堂々としていてまるでヒーローみたいに彼に立ち向かった。
その姿に不覚にも感動さへ込み上げた。

「あんた最低だな。男のクズ、いや人間として終わってる」

「うるせー、お前に何が分かる!!」

「もういい加減にしなさいよっ!このクズ兄貴!」

そこへ予期せぬ人物が現れた。ズカズカ近づいてきたと思ったら坂井さんを思いっきり引っぱ叩き、周囲を驚かせた人物に視線が釘付けになる。


「本当手がかかる!いい大人が何やってんの!?」


明るめのアッシュブラウンの長い髪が視界に飛び込んだ瞬間ハッとする。
そこには見覚えがある顔が…

(あれ、あの子確か…)


「このクソ兄貴!!」


そうそう、坂井さんの妹さんだ。
クリスマスの時坂井さんの自宅で会ったことを思い出した。

どことなく派手な濃い化粧。
目鼻立ちがハッキリしているせいか、怒りを露にし睨んだ顔はもの凄く迫力がある。

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