あなたと私と嘘と愛
そしてあの時、なぜじっと見られたのかも納得できた。
「うちのバカ兄貴は1度精神科に見てもらおうと思います。ご迷惑をお掛けして本当にすみませんでした。どうぞ厳しい刑罰を与えてやってください。
私の方も色々と調べて証拠は揃ってますので洗いざらい警察に報告するつもりです」
真剣な彼女に圧倒されながら、私はそんな妹さんの誠意を受けとることにした。
とても堂々としていたため、私と優斗も彼女のご厚意に納得して頷いた。
「本当すみませんでした。今後うちの家族で責任もって兄貴を更正していきたいと思います」
「こちらこそ助かりました。ありがとうございます」
最後は深々と頭を下げてその場を終えた。
坂井さんは最後の最後まで自分は悪くないと言い張っていたけど、私からはもう何も反論する気にはなれなかった。
何となく哀れみの視線さえ送ってしまい、悲しい気持ちになった。
けどやっと終わったのだ。
これでもう坂井さんに怯えなくていい。
「おつかれさん」
優斗に肩を叩かれると何故か涙腺が緩みそうになった。
その緩やかな表情を見ていたらやっぱりホッとして、気持ちが温められていく。
「あ、手当てしましょう。手当て」
その後私達は急いで病院に行き、優斗の腕の手当てしてからホテルへ戻った。