あなたと私と嘘と愛

「そこ、嬉しそうにするとこじゃないですよ?」

「そうだね」

興味深そうに見られてるから渋い顔になる。
そんなに変なこと言った?
私ってそんなにツンツンした無愛想なキャラだったのだろうか?
いや、そうだったかも…

「今回のことで俺のこと多少は認めてくれたわけ?」

「…す、少しは…」

あ、また可愛げない言い方しちゃった。
でもまた笑われると思うと素直な感情が引っ込んじゃう。チラリと優斗の反応を伺った。

するとやっぱり楽しそうな顔が視界に入る。


「それは光栄だね。俺も頑張ったかいがあるよ」

「とか言いつつ、本当は呆れてるんじゃないですか?ほら見たことかって。私には男が見る目がないって内心思ってるんじゃないですか?」


落ち込む時はとことん落ち込む。
包帯を巻き終えると少し距離を空け、項垂れるようにソファーの上で体操座りをした。

情けない…
情けなくて涙が出そうになる。

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