あなたと私と嘘と愛
いつからこうなった?
どうしてこうなった?
考えても考えても不思議に思うばかりで。
けど気付いたら彼の声に敏感になっていた。
無意識に目で追うようになっていたことに気付いた時、私の中で説明のできない感情が渦を巻いた。
ズキン…
そして報われない恋に手を伸ばしてしまった悲劇。
禁断のパズルを目の前にしてけっして完成できないピースを握りしめながら、母の目を盗んで彼に笑いかける私は正気なのだろうかと問うばかり。
「嵌まったね」
「まだ嵌まった訳じゃない」
3人での楽しい食事が終わり私達はリビングで寛いでいる。
優斗は仕事があるため、食事が終わるとすぐに自室にこもってしまった。
だから真由と二人でまったりドラマ鑑賞中。
だけどふとした瞬間、隣からからかい攻撃が襲ってくる。
「いいじゃない、嵌まっちゃえば?見てるこっちがワクワクしちゃうぐらいにさ」
「は?勝手に楽しまないでくれる?」
あれからすぐ、自分の気持ちを打ち明けた私に最近じゃ真由は楽しむかのような言葉をかけてくるようになった。
「どうせなら禁断の世界にどっぷり嵌まってみたら?甘く淫らな蜜はけっこう病み付きになるかもよ?」
「ば、ばか言わないで!変なドラマの見すぎじゃない!?」