あなたと私と嘘と愛
いつの写真だろうか?
今より少し若く見える。
雑誌そのものが一年前のものらしいから、少し前の姿になると思うけど。
(写真写りもけっこうだ)
まるでモデルか俳優さんと言われてもおかしくないぐらい。
そんな写りにドキリとする。
「えっと…」
「私も読んだけどさ、けっこう色んな事が書いてあったよ。それこそプロフィールから生い立ちまでけっこう細かくね」
そこまで聞いて瞬きをする。
そう言えば知らない。
優斗のことを私は何一つも知らない。聞いてない。
「どぉう?喉から手が出るほど欲しい情報じゃない?」
「…う、うん…」
ゴクリと生唾を飲み込んだ。
そうなると目の前の雑誌がお宝のように光って見える。
なんて有難い。
今の私には恵みの雨のようなものだ。
「じ、じゃあ遠慮なく…」
そう呟いたところで優斗の部屋から噂の種が顔を出した。
ギョッとした私は慌てて持っていた雑誌をクッションの下に隠す。
真由も驚いたように後ろを向いた。