あなたと私と嘘と愛

「お、楽しんでる?」


ひょっこり顔を出した優斗はそんな声を飛ばし、冷蔵庫の方へと歩み寄る。
お水を取りに来たようで、ミネラルウォーターを取り出すとそれをゴクゴクと喉の奥に流し込んだ。

仕事が少し一段落したようだ。気分転換に休憩をしに来たのだと言った。
そしてその後当たり前のように私達のところへ来たもんだから、そこからは雑誌がばれやしないかひやひやした。

別にやましいことはない。雑誌を見られたからってどうということはないと思うけど、やっぱり何となく嫌だった。

そんな私に真由から好奇な眼差しが向けられていたけれど、それを気付かないふりしてスルー。

だって素直になれない。
変なプライドでバリアを張っている私には優斗に家族として笑いかけるのが精一杯。


「じゃあごゆっくり。俺はまた部屋にこもるよ」

「おやすみなさい」

「おやすみ」


だけどその夜、隣で真由が寝てる間に一人こっそり雑誌を見た私は軽い衝撃を受ける。

優斗に対しての見方、今までの勝手なイメージがガラリと変わることになる。

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