あなたと私と嘘と愛
「亜香里もさ、たまには悠里さんの提案に素直にのってあげても損はないと思うけど?」
「優斗まで…」
けっこうノリノリだ。というより生き生きしてる。
そしてじっと見つめられた。するとこの前優斗に言われたことをふと思い出した。それと一緒に雑誌の記事のことも…
「優斗も家族団欒がしたいの?」
「できるならね」
とても爽やかな笑顔だった。
その笑顔にう…とやられる。
だから…不本意ながらもうん、と頷く。
そこまでいうのなら…
「分かっ、た」
それ以上反論することができず、根負けしたように同意してしまった。
そんな私に母はしてやったりと言うように笑ったけど、私はどことなく嫌な予感しかしなかった。
だって本当に実現できるの?
家族家族と言うくせに、いつもそれを破るのは決まって母の方だ。ドタキャンし、家に居着かないのはいつも言い出しっぺのそっちの方なのに。