あなたと私と嘘と愛
「悠里さんに遠慮してんの?」
「え?」
「だとしたら今更だよ。亜香里はそんなこと気にしなくていい。来れなくなった彼女が悪いんだから」
やっぱり優斗は割りきったように言った。
どこかいつもと違う。力強い目をこっちへ向けて少し冷たい言い方をする。
「俺は亜香里と二人でもやめる気はないよ。例え彼女が居なくても家族旅行には変わりないからね」
「ゆうと…」
「せっかく来たんだからあれこれ考えず楽しめばいい。別に家族旅行から親子旅行に変わったと思えばいいだけのことだよ」
それが問題のような気がするけど…
最後は意味深に笑った。そしてどこか楽しそうにも見えたのは気のせいだろうか?
それを聞いて私の考えがスーと落ちる。
深く考え過ぎてたのだろうか?と、気持ちが流されていく。