あなたと私と嘘と愛

「まぁ、ね。でも南条先生の知識と技術は確かだから。きっと厳しく学ぶ上で水野さんも色々と強くなると思うし、勉強になると思うよ」

「…確かに腕は…認めます。でもね、せめてあの人を寄せ付けないどす黒い空気は抜いてほしいですね。別に甘くしろとは言いませんよ。それでもやっぱりちょっとした優しさを見せてくれたりしたら今よりはやりやすいんじゃないかって…」

「はは、そうだね。その辺は俺からも南条先生に提案してみるよ。あんまり若い子を虐めちゃダメだよって諭しておく」


田宮先生は爽やかに笑って真由の頭に手をぽんっとした。
それがとても自然で好意的なスキンシップ。


「そんなに怒ってたら美人がもったいないよ」


おお、これには普段あまりトキメキがないとぼやいてる真由もちょっぴり顔が赤い。

さすがイケメンの溺愛家は人をクラっとさせるのが上手いらしい。

だってもしこれが南条先生がやろうものなら同じイケメンでも何の企み?最悪セクハラですなんて言って真由なら怒りだしそうだ。

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