あなたと私と嘘と愛

こんな細やかなことで嬉しく思えるなんて私も重症だ。
でもやっぱり嬉しいものは嬉しい。

その後優斗から「俺達の関係をわざわざ説明する必要はないかと思って」と改めて誤解を解いてくれたけど、私もそれには素直に頷いた。

確かにこんな関係説明したところで驚かれるのが落ちだ。やっぱり変に思われるのが目に見えてるもんね。

すると優斗が腕時計を気にしながら私に手招きをした。


「それよりさ、まだ夕食まで二時間ぐらいあるけどどうする?何処かに散策に行く?それとも早速温泉でも入る?」


その問いかけに私はここに来るときに通ったお土産コーナーの下見に行きたいと言った。
正直散策も考えたがそれは明日でもいいかなって。

でもそれより温泉の方が気になっている。

実はこの部屋には家族風呂がある。この先のテラスに用意されているのは、贅沢な檜風呂。

とても素敵で思わず入りたい!と叫びそうになったけど、それを慌てて喉の奥に引っ込めた。

さすがに優斗の前では入れない。

< 252 / 471 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop