あなたと私と嘘と愛

大浴場に着くと女風呂へ向かうため優斗と別れた。
「一時間後ぐらいにここで」と、待ち合わせにして頷く。そんな彼の姿を視界から無くすとやっとこそリラックスできた。
へんな緊張が解れ、のびのび服を脱ぐ。


「わぁ、すごい」

ここもパンフレット通り大きくて立派な温泉だった。
私と同じ年代からお年寄り、小さい子供を連れた家族連れがいて気持ちが和む。

今度機会があれば真由を誘って一緒に来よう。
そう思えるほど心地よく、大浴場から外に出ればこれまた景色が素晴らしい露天風呂が。

そんな非現実空間を満喫する。
十分に堪能し、大浴場の外へ出ると優斗の姿はまだなかった。

けっこうゆっくりしちゃったと思ったけど、優斗も一人満喫してるんだろうか?
先に戻る訳にもいかないのでジュースでも買おうと自販機がある所まで歩きだす。

案外近くにそれはあり、買う前に一度優斗へメッセージを送った。


「もう出ました。近くの自販機でジュース飲んでます」

と。
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