あなたと私と嘘と愛
ドタキャンした母にも腹が立つし、子供扱いする優斗にも腹が立つ。
ぶっきら棒に言ったのに、次の瞬間ぶはっと笑った優斗に悔しいけど目を奪われる。
何だか知らないがうけたようだ。
それがまたかっこいいし、ときめくし、目を惹くし。
矛盾する心が優斗を求めてるのだと思った。
それによーく考えたら好きな人と手を繋げてる状況は逆にラッキーなのかもと、いい方へと考える。
(もう知らない。なるようになればいい)
なんて吹っ切った私はそれから余計なことを一切考えないようにした。
せっかくの二人だけの旅行だ。
優斗の言うとおり楽しまなきゃ損だ。
こんなチャンスはもう二度とないかもしれないし、貴重な時間。
部屋に戻り美味しい食事を堪能すれば私も気分は一転。二人してけっこうお酒も飲んだ。会話もそれなりに弾み、来た時の緊張感はどこかへ吹き飛んでいた。