あなたと私と嘘と愛

「そういえばもう怪我は大丈夫なの?」

と聞けば「もうほとんど大丈夫」と返ってくる。

「亜香里はあれから変なことは起きてない?」

その問いかけに私も大丈夫だと頷き、もう一本お酒のボトルを開ける。

(やば、ちょっと飲み過ぎかな?)

と思ったけど、まぁいいや。どうせならとことん飲んでそのまま泥酔した方がいい。
変な事を考える隙なく熟睡しちゃえばきっとすぐに朝になる。

だって今日の優斗はいつも以上にかっこよく見える。
男の人に色気を感じたのは初めてだ。
これぞ浴衣マジックだろうか?

イケメンと浴衣とお酒…

目のやり場に困ってしまい、ついついお酒に手を伸ばしてしまうのは私がまだ子供だから。
男性に免疫がないからだ。


「ちょっと飲みすぎじゃない?大丈夫?」


見かねた優斗に心配されるも、


「だって飲まなきゃやってられないもん」


本音をポロリ、うっかり優斗を黙らせてしまう。
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