あなたと私と嘘と愛

「私は家庭的な味が好きなの」


ちなみに嫌いな食べ物はフォアグラとキャビアだ。

あれは食べたあと胃がもたれるし、私には合わない。
何よりこの桃パフェと真由のお母さんが作るご飯の方がよっぽど美味しく思え、価値がある。

しかもああいう場所はやたら肩がこるし。
何であんなものがみんな食べたがるのかが不思議でならないが、きっと3つ星の高級店と言われるだけありとても価値があるのだろう。


「じゃあさ、地球最後の日に1つだけ好きなものが食べられるってなったら何食べたい?」

「もちろん、真由のお母さんの作るご飯と、デザートに桃パフェ」

「アハハ。1つって言ったのに」

「だってこれだけは譲れないもん」

「あらあら、亜香里ちゃんは正直者だね~。おばさん嬉しいわ。作りがいがあるってもんだよ」


そこへ真由のお母さんが来て私の前に桃のジュレを置いた。
一番上に一口サイズにカットされた果肉が乗せられたそれはなぜか私の所だけに置かれている。


「おばさん嬉しいからサービスしちゃう。桃ジュレ試作で作ってみたんだけど良かったら食べてくれる?いつも私のご飯を美味しいって誉めてくれるお礼ね」


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