あなたと私と嘘と愛
そんな優斗への結婚願望はありますか?
どんな結婚をしたいですか?
の記事の返答にはこんなことが書かれてあった。
「あります。でも普通でいいですね。普通のあたたかい家庭をつくれたらそれで」
だから驚いた。
それには程遠いと思ったから。
どうみたって今の現状は普通ではない。
仕事で家庭を省みない母に、敵意むき出しの可愛いげのない娘。
これのどこが楽しいのだろう。
幸せだなんて私だったら口が裂けてもいえやしない。
「それが中身のない空っぽの家族でも?」
「中身はこれから作っていけばいいんじゃない?大事なのは今と未来でしょ」
「本気で言ってるの?」
「嘘でこんなこと言わないよ」
「また裏切られたとしても?」
え?と言葉を止めた優斗に本気の目を向ける。
私だってこんなこと言いたくない。
けど私は知ってる。嫌と言うほど見せられてきた。
「母はきっとまたあなたを傷つけるよ。約束だって平気で破る。嘘だってつくかもしれない。それでも本当にいいの?悲しい思いをするのは優斗だよ?」