あなたと私と嘘と愛
「…どうして、これ…。どうしたの?」
さすがに混乱してきた。
よっぽど驚いた顔をしていたのかもしれない。
そんな私を見た優斗がちょっとだけ恥ずかしそうな顔をする。
「それ、欲しそうにしてたから。もしかしたらあの時買おうと思ってたんじゃないの?」
「………」
やっぱり言葉に詰まる。
でもそっか、見られてたのか。
まさかあの時私の姿を優斗にちゃっかり見られてたなんて、逆にこっちが恥ずかしくなる。
そして優斗は言った。
「今日のお詫びに」と。
「…え…」
「亜香里を今日無理やり此処に連れてきたお詫びかな」
目の前の瞳が細められる。
「悪かった」とも続け様に謝られた。
優斗の顔が少し曇ったように影を作るから、私は目を見開いてじっと見る。
「色々無神経だったと思う。さっきも知らないうちに不愉快にさせたならごめん。悪かった」
「優斗…」