あなたと私と嘘と愛
母の裏切り、こんなのって…

その日を境に私達の関係は変わった。というより絆みたいなものが生まれたんだと思う。

お互い顔を合わせる度笑顔が増えた。
それが親子として、家族としてなのは明確だが、確実に気を許し心を許して接するようになった。

それが嬉しくもあり、やっぱり切ない。
永遠の片思いだと分かってても、向けられる笑顔は特別なんじゃないかと錯覚しそうになる。

温泉で一夜を明かした時、私達はまるで恋人同士のようだった。
畳の上で寝落ち状態だったけれど、気付いたら二人で一つの毛布の中にいた。

優斗が寝ぼけて掛けたのだと言ったけど、私は何故か優斗の腕の中だった。
背中に回された彼の腕は温かく、目を覚ました瞬間見えた男らしい首筋にドキッとした。

さすがにハッと焦ったけど、目の前の優斗は「ああ、ごめん」と眠そうに呟いただけだった。

お互い寝ぼけてたとしても恥ずかしい。もしこれがベッドの中だったらと想像すると顔から火が出そうだ。生々しくてたまらない。

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