あなたと私と嘘と愛
だって相手は優斗じゃない…
まったく別の人。
正直テレビに写し出されてる写真は夜撮られたもので暗く、はっきりとは分からなかったけれど、それでも優斗の顔じゃないことは分かる。
やばい、頭が混乱した。
けど現実なんだ…と認めざるを終えない。
信じたくない現実が目の前に起きてしまったのだと理解するしかなかったが、正直まだ信じられない。
母の口からちゃんと本当の事を聞くまでは、と隣の優斗を見ると、今日発売の週刊紙を見つめたまま静かな沈黙を続けてる。
「……ゆう、と?」
怖いぐらい無表情だ。
なんて言ったら、どう言葉を向けていいのか分からないほどの怒りなのか悲しみなのか分からないオーラを感じる。
だからゴクリと息を飲む。そしてとてつもなく苦しくなった。
これが本当なら許しがたい行為だ。酷い裏切りになる。
彼にとって母の行動は不倫という最低なものにりになり、夫婦の絆を壊してしまうほどのものだと。