あなたと私と嘘と愛
そして優斗に言われるままに朝食を食べた。
向かい合って食べながら私は優斗の顔色を伺うばかり。
窓の外からチュンチュンと小鳥のさえずりが聞こえる。
テレビはオフのままゆったりとした時間流れていくのが分かる。
「なんかのどかでいいね」
なんて優斗は語りかけてきたりして目を細目ながらコーヒーを優雅にゴクリ。
(なんだこの光景は…)
普通すぎて普通。
まるで昨日のことがなかったかのようで、私は思わず自分の頬をぎゅっとつねる。
「いったっ…!」
当たり前だけど痛くてじんじんして半泣きになると、目の前の優斗がポカンと口を開ける。
「なにやってんの?」
「これが夢じゃないかと確認中」
「は?」
「だって優斗がおかしい…」
何を考えてるのか分からない。