あなたと私と嘘と愛
(本当突然なんだから…)
私はげんなりと息を吐く。
相変わらずこの人には色々と悩まされる。
この3ヶ月平気で家を空けておいてそれを謝りもせずなんて呑気なものだ。
(行くなら2人で行ってくればいいのに…)
「…で、行くの?」
「行かないよ。顔を合わせたところで窮屈なだけだもん」
「だね。じゃあよかったら今夜うちに泊まりにくる?」
真由が私の心情を察してか、素晴らしい提案をしてくれた。
それを聞いた瞬間パァっと顔が明るくなり、真由の気遣いに嬉しくなった。
「いいの?」
「いいに決まってるじゃない」
隣で私達のやり取りを聞いていたお母さんも「亜香里ちゃんさえよければご自由にどうぞ」と言ってくれた。
だから亜香里の好意に素直に甘えることにした。
すると気持ちもホッと軽くなり、私は母に「今日は先約があるから無理」と一言断りのメールを入れると着替えをとりに一旦自宅へと戻ることにした。