あなたと私と嘘と愛

「それよりあなた達こそ何やってたのよ。呼ばれたから来てあげたのに2人ともいないんだもの。つまらないじゃない」

面白くないと頬を膨らませる。
なぜかご機嫌ななめの母はワインをくるくる回しながら相変わらずの態度。

……て、来てあげた?
何で上から目線なの?
というか逆ギレをされる筋合いはないはずなのに、この態度。

「ていうか優斗はどうしたのよ。優斗は」
 
「優斗なら今薪を…」

「もーう、タイミングが悪いんだから、私はね、忙しいの。忙しい中あなた達が呼ぶから来てあげたのよ。このあとすぐに約束だってあるんだから」

だからその言い方は何?
しかもこんな騒動の中人に会うって言った。
やっぱり非常識にも程がある。


「いったい何考えてんの?こんな騒動の中人と会うとか正気?」

「ええ、正気よ」

「信じられない。それよりまず先に私達に言うことがあるでしょ!?それ以前に優斗と私に説明するとか、謝る気はないわけ?」
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