あなたと私と嘘と愛
だけど家に帰るとまさかのハプニングがおきた。
この日、あろうことかまさかの厄日になった。
お風呂場の脱衣所に私の叫びが響き渡り、思わず持っていた着替えを落としてしまう。
「な、なっ……」
言葉にならないということをこの時初めて知った。
そして二十歳にして成人した男性の全裸をまじまじと見てしまった衝撃はまるで雷に打たれたよう。
「な、何やってるんですか!」
私は慌ててドアを閉めた。
そのまま扉越しで発狂してしまう。
「…いや、シャワー浴びてただけだけど」
「こ、こんな時間に!?」
まだ夕方の4時だ。
だから油断してた。
この時間は普段優斗は部屋にこもって仕事に没頭してるから。
そして私も真由の家に行く前に先にお風呂に入ってしまおうと思ったのがそもそもの間違いだった。
「いつもこんな時間に入ってないじゃないですか!?」
「それは君も同じでしょ。俺は筋トレして汗かいたからシャワーしてただけ」
「だったら扉に使用中の張り紙でも貼っておいてくださいよ」
これは困る。本当に困る。
今しがた目に飛び込んできた絵に描いたような肉体美。
細いと思っていたのに、しっかり鍛えられた筋肉だった。
よくいうシックスパックというやつを間近で見てしまい、チラッとだけどその下もバッチリと。初めて見るそれに赤面してしまう。