あなたと私と嘘と愛

「でも本当にいい?これが最後の忠告だよ?」

「いい、の。本当は優斗だってもう私の気持ち分かってるでしょ?優斗への気持ち…」

恥じらいながらも優斗の首に自分の腕を巻き付けた。覚悟はできている。
この温もりを手放したくない一心で本能のままぎゅっと優斗を抱き返すと、優斗の艶かしいため息が耳元で聞こえた。

「参ったな…」

困ったような、でもどこか甘さを含んだ嘆き。
ドサリ…、言い終わると同時に体が後ろに反転した。驚く間もなく私の背中は柔らかなソファーに倒されたのだと気付く。

「亜香里…本当に君は…」
「…ゆ…と?」
「悪いけど、俺だってもうとっくに限界を越えてるよ」
「……」
「限界なのは俺の方だ」

優斗の言葉が私を射抜く。

「言っとくけど今までみたいに添い寝だけじゃ済まないよ?」

そう言って私の手を掴みそっと口付けした優斗に男の人を感じる。
まるで知らない男性の表情と仕草。
それを目の当たりにした瞬間ゾクゾクと背中から感じたことのない感覚が私を襲う。
正直やっぱり怖い、けど、

「好き。優斗が好き…」

あなたになら何をされても大丈夫。
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