あなたと私と嘘と愛

「気持ちいな…」

「……」

「亜香里の体温、温かくて気持ちいい」

優斗の甘い囁きが脳内に響く。

ドクンドクンと、お互いの鼓動を感じ
それが私にもよく分かる。恥じらいながらも頷いた。
上半身素肌のままで抱き合う心地よさにさっきまでの不安と怖さが次第にゆっくり消えていく。

「…知らなかった。人の肌ってこんなに気持ちいいんだね」

「ああ、だから安心して。俺を信じて亜香里の全てを俺にくれる?」

その言葉を聞いた瞬間涙腺が緩みそうになった。
どこまで優しいのだろう…
全ての行動が私への配慮だと気付いた時、まるで高波にでもさらわれるよう、私の気持ちが呑まれてく。もっともっとこの人と深く繋がってみたい、いっそ溺れてみたいって。


「優斗…キス、して?」

だから自然とそんな言葉を口にした。
優斗の温もりをもっと感じてみたい。その思いで目の前の顔にそっと触れるとやっぱり甘く優しい声が。

「ああ、もちろん」

再び唇を寄せ合わせた私達はそこから本当に快楽の波に呑み込まれるよう、そのままソファーになだれ込んだ。
感じるのは優斗だけ。
熱くて苦しい、禁断という濃密な世界へと沈んでいく。
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