あなたと私と嘘と愛

好き…

一度だけ。
一度だけだと思ったはずなのに、それから何度も何度も優斗に抱かれた。
もう何がよくて正しいのか分からなくなる。

優斗は宣言通り私を離してくれず、それから毎晩のように私を求め、甘く抱き締め合って眠った。
だから私も逆らうのはやめた。
逆らうことなんてできるはずもなく、優斗との夜を求めるままに味わった。

それが禁断の間違った選択だったとしても、もう後戻りはできない。

好きで好きで、この人が必要だと心が叫ぶ。
母の顔がちらつきそうになる度、優斗の熱いキスでそれをうやむやにするのに次第に心が慣れていく。

「亜香里、おいで…」
「……」

今日もまた、禁断を犯す私をどうか許してください。
この人とずっと一緒にたいという切なる願いがどうか叶いますようにっと、目の前の優斗を抱き締める。





「それはまぁ、どっぷり嵌まったね」

その2ヶ月後、なぜか私は親友に「おめでとうっ」とハグされた。

「で、どうなの?禁断の味は?やっぱり甘くて淫らなの?」

と聞かれカァ~と赤くなる。
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