あなたと私と嘘と愛
「まぁ、確かにあの報道はヤバかったよね。私けっこう好きだったんだけどなぁ、けどあんなゲス野郎だったなんて…」
これが世間の声だと言わんばかりを主張して私の同意を求める真由に苦笑い。
少し前までは自分の母がその対象だったんだよなぁ…。
と思いながら私達は紅茶片手にソファーに座る。
「あ、でも今日は来てくれてありがとう」
「なに言ってんの。やっともう元通りでしょ?」
「一応ね」
とりあえず母の事務所からも外出オッケイが出た。だからつい先日、私と優斗は自宅に戻りいつも通りの生活をしてるわけだ。
「いっそのこと、あのまま帰らずに別荘を新居にしちゃえばよかったのに」
「え?」
「優斗さんとの秘密の恋をもっと堪能すればよかったんじゃない?」
「ちょ、ちょっと…」
「あそこだったら周りは森に囲まれてるし、誰も邪魔する人はいないもんね。二人だけのあまーい生活をするにはもってこいでしょ?」
「ま、真由っ!」
なんてことを!
さっきらら茶化されてばかりだ。面白くない私は真由を睨む。
けど真由の言い分には否定できない部分もある。違うとはっきり否定できない自分が悲しくて…