あなたと私と嘘と愛

真由の明るい声を聞きながら私もつられるように笑顔になる。
もやもやしてた気持ちが次第に晴れていく。

「ま、そういうことで私の任務は終了、かな」
「え?」
「ふふ、はーい!こんな感じで亜香里の背中を前向きに押しときましたけど、これでよかったですか?優斗さん」

「は?」

ドキリとした。
…優斗さん?
紅茶を飲み干した真由が何を思ったのか、ニヤリと私を見た。そしてそのあとすぐ視線をさらに後ろへと向けるから間抜けな顔になる。

……へ?

なに言ってるの?と、
不思議に思いながら、真由の視線の先へ追うように私の視線も当然そこへ。すると…、

「ありがとう。とてもいい演説だった。助かったよ」

「!?」

「まゆちゃんには感謝する。少しでも目を離したら俺なんかすぐ捨てられちゃいそうだからね」

なんと…!
そこにはいないと思っていた優斗の姿が…
いつ帰って来たのだろうか?
リビングの入り口で鞄を持ったままの優斗が何食わぬ顔で立っている。

……え。

「…えぇっ!?」

ガタッと立ち上がった私は当たり前だけど大きな声を上げる。
な、な、な、なんでっ…
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