あなたと私と嘘と愛
昼間繭にも宣言してくれた。
だから思ってることを素直に話そうと思ったの。私の言葉を聞いて振り返った優斗を真っ直ぐ見つめた。
言葉にしてからふと思う。
けっこう大胆な発言をしたんじゃないかって。
けどこのままずっとこんな関係も嫌だ。モヤモヤしてるのは私だけかもしれないけど、それでもちゃんとした区切りを着けて欲しいと願うのはおかしいことじゃないよね?
「て言うか私って今どんな立場、なの?」
そこまで言って頼りなく俯いた。
できれば早く離婚してほしいという願望が日を追うごとに強くなるのをもう無視できない。
少し甘えもあったかもしれない。優斗があまりにも優しいから自分でも知らぬうち我が儘な感情がにょきにょきと顔を出す。
ベッドの上で体操座りをして、思わずシーツを胸の位置までずり上げた。
「えっと、だから…」
「…亜香里…」
そこでやっぱり気まずさが押し寄せて顔を膝に埋めた。ズキンなのかドキンなのかよく分からない胸の痛みが襲ったとき、
「もちろん、恋人だよ」
ベッドがギシッと揺れた。