あなたと私と嘘と愛

優斗と一緒に駆け寄ると、マネージャーのわこちゃんが半泣き状態で椅子に座ってた。
私達に気付くなり、慌てた様子でをこっちへ駆け寄る。


「優斗さん、亜香里さん!悠里さんは今処置中ですっ。此処に運ばれてきた時にはもう意識がなくて…っ」

「…そう…」

わこちゃんが優斗に向かって取り乱したように訴える。

「私がついていながらごめんなさいっ」

「いや、わこちゃんのせいじゃないよ。これも全て悠里さんの意思だ。彼女が自分で決めたことだから」

「それでもっ…」

言葉に詰まらせたわこちゃんは青白い顔で涙を流す。

「まさかこんなに早く症状が悪化するなんてっ、だって今までずっと元気だったんです!告知された時までもまだ半年もあるのに…っ」

………え?

衝撃でただ二人のやり取りを聞くことしかできない私の脳裏に色んな疑問が浮かぶ。

告知…
症状が早まるだなんて、そんな言い方はまるで母が余命宣告でもされているような口振りだ。

これってどういう…

「…あの、…母はどこか病気なんですか…?」

だから思わずこんな言葉を吐いた。
放心状態でポツリ呟いた私を見てわこちゃんの表情がハッとしたように変わる。
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