あなたと私と嘘と愛

「何でそんな契約…っ…」

仮にも私という娘がいながらそんなこと…

「分かってる。俺も最初はずっと断ってたんだ。そんな結婚はできないって。出会って数ヵ月の赤の他人にそんなことできるわけないって」

優斗はやっぱり苦しそうに声を出す。

「けど、悠里さんがどうしても聞かなくて。
何度も何度も俺に会いに来て言うんだよ。私の最後を見届けてほしいって。それだけじゃない。毎日のように亜香里の話もきかされて、最終的に泣き落としまでされて…」

信じたくない。
けどそれに拍車をかけるような痛い言葉の数々が。

「どうしてか悠里さんは亜香里にだけは迷惑かけたくないの一点張りでさ。他に親戚身内はいないからって、すごく真剣で…」

ショックだった。
ショックで目頭が熱くなる。
なんで私だけ…
衝撃な事実に胸がズキンと痛まないわけがない。

私は…
そんなに頼りにならないのだろうか?
こんな大事なことを隠さなきゃいけないほど、あの人にとってその程度の存在だってこと?
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