あなたと私と嘘と愛
いや違う。
それほどまでに私は嫌われて、た?
母にとって私はどうでもいい存在だったのだろうか?
愕然とし、ショックで立ちすくんでいると、ちょうどそのタイミングで手術室の扉が空いた。そこから先生と看護婦さんが顔を出した瞬間私達はハッとし、会話がとまる。
「とりあえず処置は無事に終わりました。最悪の状況はま逃れたと思います」
それを聞いて両隣から安堵したため息が。
「けどこれは一時的な処置であって油断はしないでください。前からお話はしていたと思いますが、いつまた急変するか分からない状態です。暫くはベッドから起きるのも辛いと思いますよ。
はっきり言って思っていた以上に症状の進行が早く厳しい状況です」
「…そう、ですか…」
わこちゃんが震えた声を出し、涙を浮かべる。
「ですが私達もできる限りのことはしますので、1日も長く生きられるようベストは尽くしたいと思います。最後まで諦めず頑張りましょう」
「…っ…宜しくお願いしますっ」
わこちゃんと優斗が深々と頭を下げる中やっぱり私は微動だに出来なかった。
何も反応できずその後運ばれていく母の姿をただ無言で見おくる私はポツリと感情のない声を出す。