あなたと私と嘘と愛
「コーヒー飲むでしょ?せっかくだしこのパン一緒に食べよ」
ここは素直に真由のご好意に甘えることにした。
コーヒーを用意し、二人でテーブルを囲むとまずは腹ごしらえをする。
パンを食べながら少しずつ話し出す私の言葉を聞いてくれる真由はさっきとは別人のように真剣だ。
「…まじか…、それはけっこうヘビーだね。まさか悠里さんが…」
パンを食べることをやめ、私を見る。
どこまで聞いているかわからないけど、
とても険しい顔をしてる。
「ないわー。さすがに私でも心折れるっていうか、感情閉ざすと思うわ。亜香里の気持ちはよく分かる」
納得して私の気持ちと寄り添ってくれる真由に「だよね…」と呟く。
考えても考えても納得いかないことばかり。
「昨日から頭の中がぐちゃぐちゃでおかしくなりそう…。どうしてよりによって他人の優斗をって。籍までいれて私に嘘までついて…」
「確かにね」
「非常識にも程があると思わない?」
「けどさ、食欲はちゃんとあるんだね?」
「…え?」
「私はもっと何も食べれないほど落ち込んで憔悴してると思ってたけど、案外ちゃんとしてるなって」
それを聞いて押し黙る私をまじまじ見つめる真由の表情が次第に何かを納得したように変わる。