あなたと私と嘘と愛

「だって亜香里って男を見る目なさそうだし」

今までの事を思いだし顔が青ざめていく。

「…じゃあやっぱりお母さんがずっと家にいなかったのもわざとなの?あえて私と優斗を2人きりにするために…?」

「そうよ。正確にいうと半分は、ね。治療のこともあったし流石に無理矢理くっつけようとは思わなかったけど、そうなれば安心だとは思ってたわ。
変な男に捕まるよりはましだって思ってたから。まぁけど実際変な男に捕まった時は焦って優斗を問い詰めたけどね」

「確かにあの時は凄い剣幕で怒られました。俺がついていながら何してるんだって。正直俺は亜香里のボディーガードも兼ねてましたから」

「そうだったの!?」

色んな事実に頭を抱えたくなる。
これ以上はもう怖くて耳を塞ぎたいような、頭が混乱して平常な感覚が乱されていく。

「色々驚かしてごめん。非常識だってことも従順承知してる。けどこれだけは言わせてほしい」

すると真剣な優斗に見つめられる。

「亜香里を好きになったことは嘘じゃない。一緒に暮らしてくうちに俺はいつの間にか惹かれてた。亜香里の意地っ張りなとこ。天の邪鬼でツンデレなとこ。自分より俺を心配してくれる優しさを感じてるうちに目が離せなくなってた。亜香里を他の男に渡したくないって」

「…ゆうと…」
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