あなたと私と嘘と愛

「それって…やりたいだけなんじゃ…。父親から執事に契約変更でもしたいの?それとも昨日の仕返しのお詫び、とか?」

恐る恐る聞いてみた。
けど優斗は変わりなく頭を撫でるだけ。

「違うよ。俺はただ亜香里を労りたいだけ。だいぶ疲れてるようだから」

「…ふーん…」

そんな甘い声をして惑わさないでほしい。けど優斗の優しい気遣いに思わず顔がにやけそうになる。

優しかったり甘かったり意地悪だったり、最近はほぼ甘さ90%で成り立っている気がするが、
その度々に一喜一憂する私を優斗は楽しんでるのだろうか?

「優斗って案外王子様キャラだよね。初めて会った時とまるで印象が違う」

「それは本命にだけだけどね」

「…また…」

「亜香里以外にはこんなことしないから安心して?それに亜香里が今どんな顔してようが変わらず好きだからご心配なく」

もーう。
優斗といると今までの私が通用しない。
のらりくらり交わされてる気分で動揺しっぱなし。

けどやっぱり嬉しいから素直に喜んじゃうんだけど。
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