あなたと私と嘘と愛
「そう言えば亜香里とこんな風に外食するのって初めてだよね?」
(あ…)
確かにそうかも。
顔を上げた私はハッとして優斗との方へと顔を上げた。
「そう言えばそうかも…」
「じゃあ今日は初めて記念ってことで何でも好きなだけ食べて飲もっか。楽しもう」
「ん。そうしたい」
にっこり笑って微笑んだ。
そっかー
今まで家やホテル、別荘でしか優斗と食事したことがなかったんだなぁ。例外として温泉はあるけど、あれはカウントに入るのかな?
「わぁ、美味しそう!」
そう思いながら素敵な雰囲気のお店にテンションも上がる。
ここはふわとろオムライスが人気らしくて、その他にもハンバーグやビーフシチューも美味しいらしい。
「私ね、こういうオムライス大好きなんだ。ほら上から切れ目を入れると卵がトロッとなだれてくるやつ」
「なだれてくるって…」
私の表現が面白かったのか、優斗がクスリと笑いだす。
「食レポが個性的でなにより」
「あ、今適当だなーて思ったでしょ?」
「思ってないよ。可愛いなとは思ったけど」
「え?」