あなたと私と嘘と愛

分かるって…え?

「あ、ごめん、今のは分かりずらいか、聞き方を間違えた。要するに悠里さんからどこまで聞いてる?俺のこと」

内容の意味が分からずポカンと口を開ける。

「優斗の…こと?」

ちょっと真面目な空気になった。
甘さを控えめにした優斗の瞳が真っ直ぐ私を見てる。

「…えっと…」

驚いた私はスプーンを掴み損ねてしまう。
まさかここでその話になるとは思わなかった。けど私は母からその内容は何一つ聞いてない。
それを正直に伝えると優斗は「そっか」と頷いた。

「…でもね、何かの雑誌では読んだことあるんだよね。優斗の生い立ちのことが書いてあったのを見た…かも」

以前真由に見せて貰った記事のことを思い出す。

「なんかインタビューみたいな感じで優斗が色々答えてた記事をたまたま縁あって見ちゃったっていうか」

あまり触れちゃいけない気がしてずっと聞けなかった。けど本当はずっと気になっていた。
だから知りたい。
聞いてもいいだろうか?
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