あなたと私と嘘と愛

「俺のこと本当に信じても大丈夫?」

ここで優斗の謎めいたお言葉が。
流石に目を丸くしたけれど、私だってバカじゃない。優斗の真意に気付いた瞬間とても冷静な声がでた。

「そんなの優斗には関係ないじゃん。例えそうだったとしても優斗はむしろ被害者でしょ?優斗が何かしたの?違うでしょ。産まれてすぐ消えてった人達のことなんてどーでもいいよ。むしろ腹は立つけど、関心はない」

どんな理由にせよ子供に罪はない。
優斗にだって罪はない。

「私は目の前の優斗が好き。目の前でビーフシチューを食べてる優斗が好きなの」
「……」
「それを聞いて態度を変える方のがよっぽどヤバイ奴じゃん。もしかして私もそうだと思ったの?」

むきになるつもりはなかったけど、思わず声に力が入ってしまった。
だって侵害だ。優斗がつまらないことなんて聞くんだもん。

「優斗は誰よりも優しい人。ちゃんと知ってるよ?全うにちゃんと生きてる人を否定するわけないじゃん」

むしろ優斗は私なんかよりよっぽど正しく生きている。感謝しかないのに。
私達親子と真剣に向き合ってくれるとっても大事な存在だもん。

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