あなたと私と嘘と愛

「とんだ家族に捕まっちゃったんだね」

「そうだよ。俺には丁度よかったけど」

満足そうに笑った優斗に釣られてこっちまで顔が緩む。

「だから好きなんだよ。亜香里も悠里さんも俺を俺としてみてくれるから」

「ゆうと…」

「安心する居場所なんだと思う」

それは私だって同じ。
優斗の存在はいつの間にかこんなに大きなものになっている。
一緒にいる時間がなによりホッとできるから。

「できるならずっと一緒にいたいと思ってるよ?この先も」

「もちろん。俺もそう思ってる。だからもっと頑張るよ」

…ん?何を?と思った瞬間優斗の手が私の手を上から握りしめる。

「亜香里に結婚したいと思ってもらえるように頑張るから」
「え?」
「今以上に攻めて攻めるから覚悟してよ」

甘ったるい顔で言われて赤面する。だってこんな大胆なプロポーズ…

「いや、そこまでしなくても…」
「するよ。やっと見つけたから。本気で信じられる人」

その言葉がどんな「好き」より響いて嬉しかった。ハチミツより甘い瞳に捕らわれた私の運命はきっともう逃げれない。

この人のことを誰より愛しく思うから。

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