あなたと私と嘘と愛
「優斗…」
それから言葉通り沢山の愛情を貰った私は一ヶ月後、母の希望もあり3人で家族写真を撮ることになった。
場所は何故か教会で。
なにやら裏でうーちゃんと母が手を回したらしいのだけど、詳しいことを何も聞かされてなかった私は驚いた。
「お金ならいくらでもあるんだもの。最後にパーっと使ってもバチはあたらないでしょ?」
でたー。セレブ発言。
その発言通り着いた場所は自宅から30分ぐらいのとても立派で豪華な教会だった。
3週間前から本人の強い希望により自宅での緩和ケアに切り替わった母は最後の我が儘だと言わんばかりに色々と手配していたようだ。
もちろん主治医の先生と看護婦も常駐のもと、24時間体制で母の体調を見守りながらその場を訪れた。
「これって本当に家族写真なの?」
「そうよ。当たり前じゃない」
車椅子に乗った母を押しながら中へと進む。密かに含み笑いをした母には気付かない私は言われたまま進むと驚くばかりの光景が。
「お待ちしてました。悠里さん」
教会の中へ入ると6、7人のスタッフ?の人達に出迎えられた。
見ると男の人が3名、女の人が4名。その中にはよく知る人物が1人。