あなたと私と嘘と愛

「まぁ、離婚は一応成立しましたけどね」

あれから展開は進展。話し合った優斗は母の強い希望もあり、離婚にだけは了承し判を押した。
その代わり母のことは娘の私にバトンタッチ。
母は私には迷惑をかけたくないと言い張っていたけれど、

「最後ぐらい娘のお願いを聞きなさいよ!」

と一括。断固たる決意で母を黙らせた私を優斗は笑って誉めてくれた。
だから法律上優斗はもうお父さんじゃない。 
保護者から正式な恋人に変わった今、優斗の溺愛は目に見えて続行中。
今は娘の恋人として私と母を支えながらなんとか無事に今日の写真撮影を迎えたけど、

「お母さん、楽しいのは分かるけど無理だけはしないでよ?調子が悪くなったらすぐに言うこと。先生達も常に待機してくれてるんだからね」

「分かってるわよ。耳にタコでーす。毎日毎日何度も同じこと聞かせないで。私は平気よ。まだまだくたばるつもりはないわ」

とか言いつつ私の顔は複雑に歪む。
また一段と細くなった母を見てるから。
食も細くなり、前より血を吐く頻度も増えた。
夜だって痛みにもがきながら寝れない日が続いてる。

日に日に弱っていく母を目の当たりにしながらその日が1日でも延びることを切に願う日々。

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