あなたと私と嘘と愛

穏やかな笑みに私も笑顔で返す。
彼は仕事が忙しいのか、予約してもなかなかその日に来れることが難しく、来れたり来れなかったり。

この半年の間でもアポなしで来ることの方が多かったと思う。


「それは良かったです。でもよく私だって分かりましたね?」


ちょっとした疑問だった。
普段仕事中ずっとマスクをしてるから目だけしか見えてないはずなのに凄いと思ってしまった。

観察力が鋭いのかな?とか。


「分かりますよ。月島さんにはいつも丁寧にしてもらってますから。急な駆け込みにも嫌な顔せずいつも笑顔で対応して頂いてとても感謝してるんです」

「いえ、そんな…」

「それに1度だけマスク外された時があったんですよ?いつかは忘れちゃいましたけど、その時の表情が印象的で。すごく美人な方だって思ったから」

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