あなたと私と嘘と愛
「すごく綺麗だよ」
そのままもう片方の手で腰を引き寄せ亜香里の自由を奪う。
本当は最初から彼女のウェディング姿は良く見えていたのだけど、自分の欲望に忠実に動く。
「今日ばかりは悠里さんに感謝だな」
コツンとそのまま亜香里のおでこと自分の額をくっ付ける。
このサプライズが悠里さんの企みだってことは良く分かるため、尚更それにのっかかろうと思う。
「あ…りがと。なんかすごく照れるけどね。あ、けどこれって、絶対お母さんの策略だよね」
「だろうね」
「ふふ、優斗もタキシード姿似合ってるよ。凄くかっこいい」
視線が重なりお互いに笑い合う。
せめて写真だけでも俺達の晴れ姿を残しておきたいという悠里さんらしい粋な計らいに感謝しつつ、
何だかんだ結局彼女の策略通りになってしまうんだな。
「どう?このまま本当に俺と結婚しちゃう?」
こんな綺麗な花嫁ならいつでも大歓迎。今すぐ俺のものにしたい衝動が膨らみそのまま目の前の唇を塞ごうとした時、横から邪魔な声が入る。
「はいストーップ。そこまでよ」
顔を出したのは予想するまでもなく、車イスに乗った悠里さん達。