あなたと私と嘘と愛
「えー可愛い!可愛すぎるっ」
確かにお守りだった。優斗ってば何気にユーモアなセンスがあるんだね。
「どこで買ったのこれ?」
「先週亜香里と一緒に神社に合格祈願しに行った時だよ。亜香里は気付いてなかったけど」
「えぇ?全然知らなかった。いつの間に!」
けど嬉しい。ほっこりとする。そして今の笑いで本当に緊張が和らいだから不思議。これも蛙様のお陰かな?
「ありがとう優斗」
「ん、試験頑張って」
言い終わるとほぼ同時、優斗に腕を捕まれ抱き締められる。
不意討ちの包容に驚いたけど、優斗のハグに抵抗せず私も素直に抱き締め返す。
「どうしたの?」
「俺からのパワーも送ろうと思って。亜香里なら大丈夫。絶対上手くいく」
「ふふ、それは全身でありがとう。なんか力が漲ってくるかも。人のパワーと温もりが一番効果的だね」
「今日は労いを込めて亜香里の好きなもの作って待ってるから。だから寄り道せずまっすぐ帰ってくるように」
「はーい、って、門限はあるの?」
「あるよ。17時」
「早っ、小学生じゃないんだから、相変わらず過保護だねー。お、と、う、さ、ん」