あなたと私と嘘と愛
茶化したようにそう言えば、優斗もまんざらじゃない様子で反抗を見せる。
「可愛い娘が心配でねって。…ふっ、まだ俺に保護者役をやらせるつもり?」
「ん?」
「いい加減保護者役は降板したいんだけど」
くすりと悪戯な瞳。
見つめ合えば顎を指で救われ唇を奪われる。そのまま腰を固定されれば逃げられない。
次第に深くなるキスに声が漏れる。
「…んっ」
…もう、最初に子供扱いしたのはそっちなのに、それに悪ノリしたらまんまと食べられる。
相変わらず優斗の甘い反撃には朝からドキドキさせられるけど、
「ストーップ!」
名残惜しに負けちゃいけない。
意思をしっかりもたないと。
「もう行かなきゃ。続きは帰ってからでもいい?もちろん恋人として、ね?」
最後は私から約束のキスをする。チュッと可愛らしくお願いすれば見とれちゃうほどの優しい笑みが。
「分かった。楽しみに待ってる」
くすっと二人して笑い合う。
最後に仏壇の中の母に手を合わせて報告をする。
「おはよう。今日は精一杯頑張ってくるからね。お母さんも応援してて」
あれから一年がたった。
母が居なくなったあとも変わらない。私と優斗はこんな感じで仲良くやっている。