あなたと私と嘘と愛

「…月島さん」

「あ…はい」

「本当にあの月島さんなんですね?」

「そう…です」

「ああ、もう駄目かと思ってました。ヤバッ、めちゃくちゃ嬉しい」


彼の盛り上がりが私にまで伝染する。
電話一本でこんなに喜んでくれるだなんて想像以上だ。

もしかして私が悩んでいたこの4日間、彼もまた同じようにヤキモキしてくれてたのかなって。
それに気付いた瞬間恥ずかしいのにほかほかと嬉しい気持ちになった。

気付けばクスリと笑っていた。


「何だか大袈裟ですね」

「…いや、普通の感情ですよ。ずっと気になってた人からこうして連絡もらえたんですから。嬉しくもなりますよ」


坂井さんはやっぱり素直な人だ。
私が照れることを平気で言ってくる。

だけどそれがやっぱり嬉しいわけで、電話越しで真っ赤になってしまう。


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