あなたと私と嘘と愛
そして坂井さんとのデート当日。
私は服装に困っていた。
ここは綺麗目でいくべき?それとも可愛らしく攻めるべき?
あまり気合い入れすぎても駄目なような気もするし、その加減がわからない。
坂井さんとの待ち合わせの時間まであと1時間。
ベッドの上に色んな組み合わせの服を並べては「どうしよう…」と悩むばかり。
(シャメ撮って真由にアドバイスでも貰おうかな?)
そんな時だった。
コンコンと部屋のドアがノックされ、珍しく優斗の声が聞こえた。
「悪い、ちょっといい?」
私の部屋をノックするのは珍しい。というより初めてだ。
だから何事かと着替えをベッドに置き優斗が待つ扉を開けた。
「…なんでしょう…」
「今日なんだけどさ、仕事の打ち合わせでプロデューサーや監督が部屋に上がると思う。もしかしたらリビングに知らない人がいるけど、驚かないでって言いたかったんだけど…」
そこで一旦言葉が途切れ、何故かじろりと見つめられた。
首から上をまじまじ見つめられた後、自己完結したように「そんな配慮は無用か…」と言う。