あなたと私と嘘と愛
2つの服に注がれる視線が真剣だ。
彼は右と左を交互に見比べながら、時々私の顔も見る。
きっと見比べているのだろう。
色素の薄い綺麗な瞳はやっぱり私をドキリと動揺させるが、なるべく冷静を装い彼の返答を待つ。
「俺の意見で本当にいいの?」
「まぁ、他に聞く人もいないので」
「ふーん」
すると優斗は「じゃあこっち」と白のニットワンピースの方を指差した。
「別にどちらも悪くはないけど、その髪型とメイクだったらそっちの方が無難じゃない?今の年代の君にはそっちのが合ってる」
それはどういう意味だろうと言葉につまる。
もう1つの方は少し大人すぎて年齢に合っていないのだろうか?
どちらかと言うと自分の中では選ばれなかった方のがポイントが高かった。
いつもより大人っぽくもなるし、ちょっとしたイメチェンにもなるかと思ったんだけど…